若手社員が突然退職、不条理を解き明かす"カギ" すぐ辞める社員に多い3つのパターンとは
てきぱきと資料を作成するCと、指示に不満を抱きながら終業時間を心待ちにしているCは、どちらも本物のCであり、一人の人間の中に同時に存在している。指示に不満を抱き、早く帰りたいと思っている「個人人格」のCが、舞台の上では「組織人格」で役割を演じているのだ。
こう考えると、ビジネススキルというのは、舞台上での「役割演技力」だと言える。
「個人人格」と「組織人格」のチューニングを
自由な意志に基づいて判断する「個人人格」と、企業の論理に基づいて行動することを求められる「組織人格」。「どちらを重視するべきか」という話ではなく、2つの人格のバランスが大切である。
そもそも、組織と個人は対等な関係だ。組織は個人に対して、一定の地位や役割を提供する一方で、相応の責任意識や専門力の発揮を求める。同時に、個人も組織に所属することによって、所属欲求や承認欲求を満たせるだけでなく、社会への参画感を得られる。
このように組織と個人は、互いに頼り合いながら互いの欲求を満たしていくような関係にある。いわば「車の両輪」のようなもので、どちらかを優先すると真っ直ぐに進めず、蛇行したり、その場をぐるぐると回ったりしてしまう。
働く人に求められるのは、「個人人格」と「組織人格」を適切にチューニングすることである。
「個人人格」ばかりを優先すると、組織が成り立たず、みんなが不幸になる。「組織人格」ばかりを優先すると、「個人人格」において自己犠牲を強いられる可能性がある。
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