日本企業は、この30年間、いかにも優秀な「スーパースター」を求め、縁の下の力持ちタイプの人をないがしろにしてきました。
しかし今後は、少人数のチームをいかにうまく育てるかという考えにシフトしていく可能性が高いでしょう。
そのためには、少人数のチームをうまく持ち上げてくれる管理職や、かつての「給湯室のおばちゃん」のような、人間関係のハブになる存在が評価されるなど、求められる人材が変わる可能性もあります。
「他者中心」の人物が採用される時代へ
個人としては優秀だけれど、個人主義が強すぎて、周りの人をサポートしない人、何でも自分の成果にしたがる人もいます。しかし、今後は「他者中心」の人の方が採用されるということも起きるかもしれません。
昭和の共同体や組織論に回帰しているように見えますが、もう少し上の段階に来ているということです。
そういう意味で、本書は、経営者にとって会社の組織体制を考える参考になりますし、管理職にとっては非常に役立つでしょう。
経営者の示す将来ビジョンや、今あるミッションに対して、いかに円滑にうまく回していくかを考えるのが管理職ですが、現状は、平成時代の古い管理職像ばかりで、その概念を共有している本はありません。本書は、その理念を与えている一冊だと言えるでしょう。
(後編に続く)
(構成:泉美木蘭)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら