「釣りバカのハマちゃん」会社に必須な人材の理由 「古くさい管理職像」ではもはや通用しない

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日本企業は、この30年間、いかにも優秀な「スーパースター」を求め、縁の下の力持ちタイプの人をないがしろにしてきました。

しかし今後は、少人数のチームをいかにうまく育てるかという考えにシフトしていく可能性が高いでしょう。

そのためには、少人数のチームをうまく持ち上げてくれる管理職や、かつての「給湯室のおばちゃん」のような、人間関係のハブになる存在が評価されるなど、求められる人材が変わる可能性もあります。

「他者中心」の人物が採用される時代へ

個人としては優秀だけれど、個人主義が強すぎて、周りの人をサポートしない人、何でも自分の成果にしたがる人もいます。しかし、今後は「他者中心」の人の方が採用されるということも起きるかもしれません。

昭和の共同体や組織論に回帰しているように見えますが、もう少し上の段階に来ているということです。

そういう意味で、本書は、経営者にとって会社の組織体制を考える参考になりますし、管理職にとっては非常に役立つでしょう。

経営者の示す将来ビジョンや、今あるミッションに対して、いかに円滑にうまく回していくかを考えるのが管理職ですが、現状は、平成時代の古い管理職像ばかりで、その概念を共有している本はありません。本書は、その理念を与えている一冊だと言えるでしょう。

(後編に続く)

(構成:泉美木蘭)

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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