【川邊健太郎×田中邦裕】"不機嫌な上司"の弊害 「組織を腐らせる」管理職にならないためには

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田中:1つは、基本的なことですがよく寝ること。機嫌のいい上司でいるために寝不足は大敵なので、私も毎日8時間は睡眠をとることを徹底しています。

もう1つは、相談することです。上司になるとそれまで同僚だった人たちと距離ができたように感じ、孤独に陥る人も多い。でもポジションが上がれば、そこにはまた同じ職位の人たちがいます。何かあれば相談できるし、社内でメンターを見つけて自分が1on1を受ける立場になるのもいいでしょう。

それに、部下に相談したっていいんですよ。最近はヴァルネラビリティー(脆弱性)という言葉が注目され、リーダーが自分の弱みを見せることで部下との間に信頼関係や安心感が育つと言われているので、上司も悩みがあるなら部下に聞いてもらえばいい。上司・部下を問わず皆がお互いに頼り合えば、不安やイライラを抱えて不機嫌になる人も減って、すごくいい世の中になると思います。

管理職は「喜び」の対象を自分から部下にシフトして

川邊:私からは、これまでプレイヤーだった人がマネジメント職になったら、まずは「喜び」の対象を変えることを意識するようにアドバイスしたいです。

私も現場時代は自分が成果を出すことがうれしかったのですが、GYAOの社長を経験して以降は、社員の活躍や成長を見るのが喜びになりました。

今も、自社の社員が他社の方から褒められることが1番うれしい。「川邊さんの会社の○○さんは素晴らしいですね」と言われると、心の底から喜びが湧いてきます。喜びの対象が自分ではなく部下になれば、相手が仕事をしている姿を見るだけで「今日も頑張ってるな」と機嫌よくいられるものです。

川邊 健太郎さん 田中邦裕さん 
(写真:桑原美樹)

田中:確かにそれはありますね。私も若手社員が仕事で成果を出して喜んでいる姿を見るとうれしいですから。喜びの対象が自分ではなく他人になると、お互いに機嫌よくいられるというのはよく分かります。

川邊:いきなり考え方を切り替えるのは難しくても、「喜びの対象を変えれば良いリーダーになれる」と頭で理解していれば、「これが部下の成長を喜ぶということか」と分かる瞬間がいつか訪れます。皆さんも今日からそのことを意識して、ぜひ「ご機嫌な上司」を目指してください。

取材・文/塚田有香 撮影/桑原美樹 編集/秋元 祐香里(編集部)

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