【川邊健太郎×田中邦裕】"不機嫌な上司"の弊害 「組織を腐らせる」管理職にならないためには

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現場に最も近いところで実務を行っているのはメンバー層であり、組織に占める人数割合も圧倒的に高い。仕事の成果や結果に対するメンバーの影響力はリーダーよりも大きいわけです。

メンバーが主体的に考えて動ける組織にしなければいけないのに、上司が不機嫌だと部下は精神的にキツいし、伸び伸びと働けないのでパフォーマンスも落ちます。

社長の機嫌が悪くなると会社は傾く

あのポストはメンバー層に向けて「不機嫌な上司対策」を紹介する形を取っていますが、本当はマネジメント層に向けて「上司は機嫌が良くなければダメですよ」と伝えたくて書いたものです。

LINEヤフー株式会社 川邊さん
(撮影:桑原美樹)

ーー田中さんも同時期に「報連相は部下や社員の義務ではなく、本来は経営者や上司が報連相しやすい環境を作らなければいけない」という趣旨の投稿をされています。これもマネジメント層に向けたものですね。

田中:私も以前から「経営者やリーダーは機嫌を良くしましょう」というメッセージを発信し続けていまして、今回のポストもその一環です。

きっかけは6年前に行われたスタートアップイベント「IVS2018」のセッションで、「社長の機嫌が悪くなると会社は傾く」という話をしたこと。これが思いのほか大きい反響があったんです。

ーー早くから「不機嫌な上司」に対する課題意識を持たれていたんですね。

田中:正直なところ、かつては私自身も「不機嫌な上司」だったんです。

20年ほど前は会社が債務超過に陥っていたため、経営を立て直すため一睡もせずに働いていたので、ストレスが溜まってすぐに腹を立てたり、周囲にきつく当たったりしていました。その結果、人がどんどん辞めてしまい、まさに会社が傾いてしまった。

イライラを誰かにぶつければ、その瞬間は多少スカッとするかもしれませんが、中長期的に見れば何もいいことはない。自分の不機嫌な振る舞いが、いかに会社に悪影響かを痛感しました。

そんな失敗体験があるので、今では意識して笑顔で過ごしたり、アンガーマネジメントを実践したりして、常に機嫌の良い上司でいられるよう心掛けています。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事