今も1杯430円「スガキヤ」安くやってこられた理由 地元密着企業の、こんなにもある強さの秘訣

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「日高屋」「幸楽苑」のない東海三県からすると、安いラーメン店といえば「スガキヤ」一強となる。

(写真:筆者撮影)

「スガキヤ」の特徴はラーメン専門店ではないということだ。あくまで“ラーメン”と“甘味”のお店。コンセプトは今でも変わらない。

「スガキヤ」に行くと、ラーメンを食べている人とソフトクリームを食べている人が共存していて、これはなかなか他のラーメン店にはない絵である。

(写真:スガキヤ提供)

これは、「スガキヤ」の創業時に遡る。「スガキヤ」は1946年に名古屋の栄で誕生した。この時はラーメンは提供しておらず、甘味のお店だった。当時はお店の屋号もなく、「甘党の店」と呼ばれていたという。

その2年後、お茶だけでなくお店で食事もしてもらおうということでラーメンを提供し始め、「寿がきや」という屋号が付いた。この頃から「ラーメンとソフトクリームの店」というコンセプトで、七十数年にわたり令和の今日まで営業を続けてきている。当時の看板の写真を見ると「SWEET FOODS&RAMEN」とある。

「『スガキヤ』はそもそもラーメン屋という枠では考えておらず、お客様にはファストフード感覚で使っていただく考え方です。常に低価格で気軽に食べられることを大事に営業してきました」(スガキヤ 広報担当)

創業当時から「安い」ということが根底にある営業スタイル。これはすごい。まさに昭和の町中華などにも通ずるような考え方だ。

今年、初めて400円台に

(写真:スガキヤ提供)

ラーメンの価格は1948年当時で20円。今から10年前の2014年時点でも300円で、そこから300円台の時代が続き、今年3月21日に390円から430円に値上げし、初めて400円台になった。

ここ数年は原料価格の高騰や人件費の問題で毎年値上げを余儀なくされてきたが、そのたびに落胆の声がネットから聞こえてきたという。

次ページ400円台に上げることも相当な勇気が要った
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