朝ドラ「おむすび」が"ちむどん再来"ではないワケ 「橋本環奈の無駄遣い」という心配も杞憂に終わる?

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NHK出版発行のガイドブックに「昨今の朝ドラのオリジナル現代劇は良くも悪くも、いろいろな意味で注目される。そのため正直オリジナルを描くことを躊躇した」「それでも描くべきだと強く思ったのは、オンエア中に2025年を迎えること。その年は阪神・淡路大震災から30年目の節目の年になる」などと語っていたのです。

戦争に劣らぬ震災のシビアな描写

根本さんの「2025年は阪神・淡路大震災から30年目の節目」というコメント聞いて、震災が扱われることに初めて気づいた人もいるのではないでしょうか。

ただ、制作サイドは第1週からそれを匂わせています。

第1話では、主人公・米田結(橋本環奈)の祖母・佳代(宮崎美子)の「あげん小さかった結が高校生ね」と、母・愛子(麻生久美子)の「もう9年だもんね」という会話に、父・聖人(北村有起哉)が「9年と2カ月と20日や」と細かく訂正を入れるシーンがありました。

さらに第5話でも、スナックの店主・ひみこ(池畑慎之介)から「やっぱり神戸帰りたいと?」と聞かれた聖人が「はい。まあいつになるかわかりませんが。向こうで床屋ばやりたいです」などと語るシーンがあったのです。

物語は2004年(平成16年)4月からスタートしただけに、聖人の言う「9年2カ月と20日前」は1995年1月あたり。作品の舞台が福岡県糸島と兵庫県神戸であることは各所で明かされていただけに、「阪神・淡路大震災を描くのではないか」「結たちは神戸から糸島に移住してきただろう」と気づいた人もいるでしょう。

むしろ制作サイドは、「見たくない人が不意に震災のシーンを避けられるように、内容を適度に事前公表する」などと配慮する姿勢を見せていました。また、阪神・淡路大震災を描くにあたって、被災者を中心に取材を重ね、多くの資料を集めたことも明かされています。

震災当時はどんな状況や心境であり、それが時間の経過とともにどう変わっていくのか。それとも、なかなか変われないのか。主人公の家族が被災者だけに、震災を真っ向から描くことになるのでしょう。

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