朝ドラ「おむすび」が"ちむどん再来"ではないワケ 「橋本環奈の無駄遣い」という心配も杞憂に終わる?

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それらの描写は、朝ドラ王道の戦争に劣らぬシビアさがあり、「『誰かのせいにできない』という点で自然災害のほうがつらい」という人もいるかもしれません。第1週を「退屈」と感じた人や“戦前戦後の偉人伝”を好む人も、震災のシーンを見たら「おむすび」の印象が変わるのではないでしょうか。

冒頭にあげた通り、結が栄養士になり、令和まで描くことが予告されていますから、震災は序盤の段階から描かれるでしょう。

さらに、第15週の75話(金曜日)に震災から30年となる1月17日を迎えるだけに、当日の放送でどんなメッセージを伝えるのか。制作サイドの真摯な姿勢を見る限り、少なくともそのころまでには「退屈」という声は消えている気がしてならないのです。

令和の重苦しいムードを吹き飛ばす

朝ドラは平日5日×半年間の長丁場だけに、第1週のようなほのぼのとしたムードのみで描き切るのは難しいところがあります。ほのぼのとしたムードからガラッと変わる瞬間が作品の評価を左右する1つの勝負時であり、それは阪神・淡路大震災の描写になるのでしょう。

根本さんは「監察医朝顔」(フジテレビ系)で東日本大震災を真っ向から扱った経験があるほか、深夜帯ではさらにシビアな人間模様を描いてきました。

「銀と金」では裏社会の勝負事、「スモーキング」では殺し屋、「フルーツ宅配便」ではデリバリー風俗(いずれもテレビ東京系)など、重苦しい世界観やそこでの人間模様も得意としているだけに、見応えのあるシーンが期待できます。

とはいえ、「おむすび」は重苦しい世界観や人間模様がベースの作品ではありません。景気の低迷などで、どんよりとしたムードが漂っていた平成時代を明るくたくましく生きるギャルの姿が描かれるようです。

ギャルたちは自分と仲間を大切にし、他人と比較せず、社会のムードには染まらない。今を楽しむことに長け、「自分大好き!」「ウチら最強!」と自己肯定感が高いことも強みの1つです。

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