朝ドラ「虎に翼」後半戦がますます面白くなる根拠 「パイオニアとしての成功物語」からどう変わる?

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虎に翼
視聴率でも快進撃を続ける(画像:NHK『虎に翼』公式サイトより)

4月1日のスタートから2カ月分の放送が終わり、折り返しのタイミングに入った朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)。

日本初の女性弁護士・女性裁判所長になった三淵嘉子さんがモデルの物語であり、性差別や偏見などの理不尽に立ち向かい、道なき道を切り開く主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)の姿は、序盤から主に女性層の圧倒的な支持を得ていました。

ただ6月に入ると、終戦を経て寅子が裁判官を目指しはじめたところから物語が大きく変わり、ネット上の熱気はさらに増したほか、前作『ブギウギ』を上回っていた視聴率もさらにアップ。寅子を中心に登場人物への共感が一段階加速した感があります。

そもそも『虎に翼』は、主に戦前戦後の法曹界を描いた堅く重い舞台設定の作品。朝に毎日見るドラマとしては、古い価値観が蔓延する重苦しさや法律の難しさがあるにもかかわらず、なぜそこで生きる寅子や登場人物への感情移入が加速しているのでしょうか。

これまで“超速展開”が相次いだ理由

あらためてここまでの物語をおおまかに振り返ると、主人公・寅子が「女の幸せは結婚」と決めつけられることに疑問を抱くところからスタート。寅子は明律大学女子法科での勉学を経て日本初の女性弁護士になるも、挫折した仲間の夢を背負う重圧や妊娠で断念します。

さらに夫・優三(仲野太賀)、兄・直道(上川周作)、父・直言(岡部たかし)らを戦争などで失うどん底に突き落とされました。

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