「虎に翼」寅子モデルが裁判官"退官後"綴った想い 5000人の非行少年・少女と向き合った三淵嘉子

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虎に翼 三淵喜子 佐田寅子
旧・奈良監獄(写真:JIRI / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説『虎に翼』が番組のスタート以来、放送のたびに反響を呼んできたが、ついに最終回を迎えることになった。主人公・佐田寅子(ともこ)のモデルとなっているのが、女性初の弁護士で、女性初の裁判所長となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)である。家庭裁判所で審判を担当した少年・少女の数は、5000人を超えたという嘉子。退官直後に自身が残した原稿では、彼女がどんな思いで審判に臨んできたのか、また法律家のあるべき姿が語られていた。

30年あまりの裁判官生活を送った嘉子

我が国において、女性初の弁護士、女性初の判事、そして、女性初の裁判所所長――。NHKの連続テレビ小説『虎に翼』のモデルとして注目された三淵嘉子は、女性法律家のパイオニア的存在として、その名を歴史に刻んでいる。

「人間的に成熟するであろう、50歳前後まで家庭裁判所の裁判官は引き受けない」

そう決めていた嘉子は、弁護士から裁判官に転じると、名古屋地方裁判所で判事としてのキャリアをスタートさせた。

女性初の判事として注目されながら、約3年半にわたって名古屋で勤務したのちは、東京地方裁判所の判事となる。13年余りの地方裁判所を経験してから、48歳で家庭裁判所に異動。以降は退官まで、家庭裁判所で少年事件を審判し続けた。

30年以上の裁判官生活において、16年にわたり家庭裁判所に身を置いた嘉子は、少年の非行について、どんなふうに考えていたのか。

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