朝ドラ「おむすび」が"ちむどん再来"ではないワケ 「橋本環奈の無駄遣い」という心配も杞憂に終わる?
放送前から不安視されてしまったのも無理はありません。そもそも「おむすび」は、制作サイドが厳しい目で見られる難しさを承知で制作している作品なのです。
朝ドラの放送時間が15分前倒しされて8時からになり、それまでの低迷期を脱出した2010年以降、数多くの“現代劇”が放送されてきました。
しかし、「ゲゲゲの女房」「カーネーション」「花子とアン」「マッサン」「あさが来た」「とと姉ちゃん」「まんぷく」「スカーレット」「エール」「らんまん」「ブギウギ」などの“戦前戦後の偉人伝”が支持を集める一方、「てっぱん」「純と愛」「まれ」「半分、青い。」「おかえりモネ」「ちむどんどん」「舞いあがれ!」などの“オリジナルの現代劇”には厳しい声があがるケースが続いています。
視聴者からの支持を集め、一定の数字を得た作品は「あまちゃん」のみと言っていいのではないでしょうか。
難しさを承知で「現代劇」を選択
前作「虎に翼」も日本初の女性弁護士・女性判事の三淵嘉子さんがモデルで、戦前戦後の時代を描いた物語でした。「おむすび」に早くも「退屈」「微妙」などの声があがっているのは、序盤からシビアなシーンが続き、終盤まで緊張感のあるエピソードが続いた「虎に翼」からの反動が感じられます。
実際、批判のコメントには、「こんなことを言うのは早すぎるとはわかっていますが」などと気持ちの切り替えができていない様子がうかがえるものもあり、もどかしさを感じているのでしょう。
ちなみに朝ドラの次作は、やなせたかし・小松暢夫妻がモデルの「あんぱん」、次々作は小泉八雲・セツ夫妻がモデルの「ばけばけ」を放送予定。どちらも著名人かつ戦前戦後の物語であり、2010年以降における王道パターンが選ばれています。
脚本を担う根本ノンジさんは、そんな現代劇の難しさを覚悟していました。
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