旅客機と渡り鳥「への字」編隊の"共通点"

知れば知るほど面白い「航空力学」

このように、コストインデックスを基準にして設定される速度のことを経済速度(Econ Speed)といい、この経済速度で巡航する方式を経済巡航といいます。

コストインデックスの設定値は、エアラインの方針により異なっているのはもちろん、同じエアラインでも路線により設定値を変えるなど、細かく速度を設定して運航しています。

なお、トータルコストは、単位距離(対地速度×単位時間)を飛行するのに要するコストなので、上層風の影響も考慮しなければなりません。向い風ならば、航続距離を大きくするため、およびタイムコストを小さくするために飛行速度を速くし、追い風ならば、逆に飛行速度を遅くする必要があります。

飛行管理システムの実力

たとえば、冬期に小松空港から羽田空港に向かう場合、飛行経路は「小松上空‐名古屋(小牧)‐河和」(V52という航空路)と、「河和‐浜松‐大島‐房総半島」(V17という航空路)です。小松上空からの飛行はジェット気流による横風を受けますが、浜松上空で東に向けて変針すると、一気に強い追い風となるため、経済速度が大きく変化します。

このようなきめ細かい速度設定は、自立航法装置、推力制御装置、自動飛行装置などをコントロールする飛行管理システム(FMS)と呼ばれる機上コンピュータの発達で可能になりました。

飛行重量、飛行高度、上層風、外気温度などからFMSが経済速度を算出し、速度を維持できます。周りの空気の状態により逐次変化する速度設定を、手動で制御することは不可能です。

飛行管理システムのプログラムは航空力学を元に作成されています。このように、航空力学は、航空工学の基本ともいえます。 

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