ピーチ躍進と切っても切れない関西人の気質 型破りな飛行機の使い方が和製LCCを育てた
「飛行機に乗る」と聞けば、何をイメージするだろう?
国内にせよ海外にせよ、出張や旅行などで遠方に移動するための利用が多く、事前の予約で搭乗便を確定するのが原則。その決まった出発時刻に遅れると乗れないので、空港には早めに到着しておかなければならない。荷物もたいてい大掛かりになる。要は気軽に乗れない。日本人の多くにとって、それが「常識」となっているのではないだろうか。
ところが、そんな多くの日本人が持つ常識が少しずつ崩れてきている。胎動が起きているのは関西地方。主役は、大阪・泉佐野の関西国際空港を主要拠点として運航する航空会社、ピーチ・アビエーションである。ANAホールディングスが38.67%を出資するLCC(格安航空会社)だ。
日本のLCCとして初めて羽田に就航へ
ピーチの井上慎一CEOは6月25日、東京都内で会見し、羽田-台北(台湾)線を開設すると発表した。8月8日から羽田空港の深夜早朝枠(夜22~翌7時)を利用して当初は週6便による運航を予定している。羽田に日本のLCCが就航するのはピーチが初めて。利用者のメインターゲットを首都圏の20~30代の若者と、台湾からの訪日観光客(インバウンド)需要の取り込みで高い搭乗率を狙う。
その会見の席上、井上CEOがたびたび言及したことがある。
「首都圏でも新しいムーブメントを引き起こしたい」
という趣旨のコメントだ。
ピーチ、ひいてはLCCを利用したことのない人からすれば、「新しいムーブメント」といわれてもピンとこないかもしれないが、2012年3月に日本初のLCCとして関空を拠点に就航してから3年。ピーチはその新しいムーブメントを確かに起こしてきた。
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