三菱「MRJ」開発の難関、型式証明って何だ? 半世紀ぶり国産旅客機の審査担当者に聞く

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初飛行は今年9~10月の予定。安全性が基本的に確認された後、国から許可を得て飛行試験が始まる(提供:三菱航空機)
三菱重工業が傘下の三菱航空機を通じて開発を進める、小型ジェット旅客機MRJ。今秋に飛行試験を開始し、2017年前半を目標とする全日本空輸(ANA)への初号機納入に向け、いよいよ機体の開発作業は佳境に入る。
YS-11以来、半世紀ぶりの国産旅客機誕生に期待が高まるが、乗り越えるべき課題も多い。最大の難関となるのが「型式証明」の取得だ。航空当局による機体の設計安全認証で、MRJを実際の製品として国内外のエアラインに引き渡すには、その取得が絶対条件となる。
認証取得には厳しい安全基準をクリアする必要があり、新規参入組にとってのハードルは高い。これまでMRJの開発が度重なるスケジュール変更を強いられたのも、認証取得に向けた作業に手間取ったことが一因だった。
型式証明は機体の設計・製造国が第一義的な審査責任を担うため、MRJは日本の国土交通省が審査を行う。型式証明の基本的な仕組みや難しさ、現在の進捗などについて、審査実務を担当している国土交通省・航空機技術審査センターの川上光男所長に聞いた。

400項目の基準をすべて満たす必要

――旅客機開発における型式証明の重要性とは?

型式証明は民間航空機を対象としたもので、機体の設計が安全性基準に適合することを国が審査・確認する制度だ。安全性基準に適合すると判断した場合に限り、その型式に対して国が適合証明書を発行する。

機体の安全性を担保する極めて重要なもので、認証が取れないと、実用機とはなりえない。機体メーカーにとっては、型式証明が取得できてようやく開発作業が完了する。

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