P-1哨戒機の対英輸出計画は「画餅」である

武器輸出で華々しい成果を狙い過ぎ

P-1哨戒機は4発のジェットエンジンを持つ国産機だ(写真:海上自衛隊)

C-2輸送機の輸出計画を巡るお寒い事情を前回の記事で記した。もちろん、C-2輸送機だけが特別なのではない。安倍政権が力を入れて多くの予算を投入しようとしている武器輸出戦略は、多くの問題を抱えている。今回の記事では、防衛省技術研究本部と川崎重工業が開発し、海上自衛隊が運用している国産固定翼哨戒機「P-1」についてみていこう。

政府は、国内で2013年3月に運用を開始したP-1の輸出に期待を持っており、マスメディアも米軍が採用した最新哨戒機「P-8ポセイドン」(ボーイング製)のライバルと持てはやす。たとえば、ロイターは、英海軍がP-1に興味をもっており、ニュージーランドやカナダなども有望市場であると報じた。しかし、残念ながらP-1にそのような実力はない。

元防衛相が英国で売り込み

1月13日、小野寺野寺五典(いつのり)元防衛相が英国ロンドンを訪問し、日本が開発したP-1の売り込みを図った。

防衛省高官も「英国の次期哨戒機商戦はP-8が本命だが、P-1は調達価格的に有利であり、P-8と異なり、顧客によるシステムの変更などにも柔軟に対応できるので有力な対抗機種となりうる」と発言している。

だがC-2の輸出同様にP-1の輸出は画に描いた餅にすぎない。このような調達・運用コストが競合機に較べて極端に高く、信頼性も怪しい哨戒機を買う奇特なユーザーは海上自衛隊ぐらいだ。

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