集中力を上げるために必要な「たった5分」の習慣 人間の脳は「動かないと集中できない」しくみに

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人間には概日リズムがあるため、脳は、朝起きてから夜寝るまで「一定のレベルで覚醒している」わけではありません。脳が活発に働いて集中しやすい時間帯(ピークタイム)もあれば、働きが鈍くなる時間帯(アイドルタイム)もあります。

ピークタイム(脳の働きがよくなる時間帯)とアイドルタイム(脳の働きが鈍くなる時間帯)に合わせて時間割を決めていくと、仕事も勉強もはかどります。

一般的には、朝、きちんと脳を覚醒させると、「昼前にピークタイム」を迎えることができます。そして夕方まで維持できます(夕方以降はメラトニンが分泌されて脳は休息モードに入ります)。

私も、概日リズムを踏まえて、「朝」を起点にその日の時間割を考えています。「優先度や重要度の高い仕事は午前中」に行い、「20時以降はできるだけ仕事をしない」ように心がけています。

現在、ピークタイムが午後に来ている人は、午前中にピークタイムを移動させることで、もっと長く集中できる脳になれるはずです。

人間の脳のしくみは「動かない=集中できない」

私が医学部合格に向けて勉強をしていたとき、「なかなか集中力が上がらない(勉強の成果も上がらない)」と感じた時期がありました。原因は、「運動不足」でした。

当時の私は、「医学部合格に必要なのは、寸暇を惜しんで勉強すること」「自分には体力があるから運動は必要ない。運動する時間があるなら勉強したほうがいい」と信じていたのですが、じつは、それが間違いでした。

脳の集中力を高め、思考力や判断力、記憶力を働かせるには、「適度な運動」が毎日必要だったのです。

体と脳はつながっていて、体を動かせば、脳も活性化します。反対に、運動をしないと筋肉が衰えるだけでなく、脳の機能も衰えます。

人間の脳は「運動をしなくても集中力が上がる」しくみにはなっていません。体の動きと脳の動きは連動しているため、「動かない=集中できない」ことなのです。

脳のMRI画像を見ると、よく運動している人の脳は8つの脳番地(※)のネットワークが太く、運動不足の人の脳はネットワークが衰えて、細くなっていることがわかります。

※脳番地…… 同じような働きをする神経細胞の集まり(部位)と、その神経細胞の集まりと関連している機能の総称として私が提唱している概念。

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