あの石神秀幸が「麻辣湯」チェーンを営む深い理由 中国のローカルフードを、なぜ手掛けるように?

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ここからわかりやすく一気に売り上げが上がっていく。一度食べたお客さんがリピーターになり、口コミでも広がって、来客数もうなぎ上りになっていった。

「意外と人間の味覚というのは侮れないなと改めて感じた瞬間でした。それからは常にブラシュアップを続け、美味しさを追求し続けています」(石神さん)

リッチにも、辛い味わいにもできるシステムだ(筆者撮影)

トッピングや辛さだけでなく、スープの味もアレンジできるようにするというアイデアは初めからあった。ベースのスープを作り、そこにペーストやスパイス、オイルなどでうまくアレンジできるように味を構築していった。これは現地にもない発想で、トッピング×辛さ×スープで無限のアレンジをすることができる。

「麻辣湯はまだまだ無限の可能性があり、研究に値する食べ物です。これからも進化、深化を続けていきます。

スープを変えればスパイスやオイルも変えたくなる。スパイスを変えればオイルやスープも変えていく。こうやって一歩一歩味が進化していきます。味が完成する日は来ないのではないかとすら思っています」(石神さん)

スープは必ず店舗で炊くこだわり

現在は16店舗を展開中だ。

基本メニューも提案されており、初めて来た人でも迷わず注文することができるようになっている(筆者撮影)

店舗が増えるとオペレーションを簡略化していくのが一般的だが、「七宝麻辣湯」は店を増やせば増やすほど手間をかける流れになっている。味が落ちることは絶対にやらないポリシーで、店舗で必ずスープを炊くようにしている。

逆に、味に関係ない部分については徹底的に合理化する。直営店においてはコロナが始まる前の2019年から完全キャッシュレス化している。常に美味しくしていくために、店舗オペレーションについては仕組み化をしていき、味を徹底的に追求するための、のびしろを作っていくのである。

にんにく、しょうがで味変することもできる(筆者撮影)

卓上のニンニクやショウガも業務用を使わず店で手切りして提供している。各店独自のオリジナルメニューの開発にも積極的だ。

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現在は東京と千葉のみだが今後は全国展開を狙っている。これまでは繁華街を中心に広げてきたが、麻辣湯の認知拡大とともに今後はロードサイドも視野に入れて店舗を探していく。

「まだ麻辣湯が荒削りな時代に出合ったからこそ、ここまで探求心に火が付いたんだと思います。他にも日本に持ってきたい海外の料理はありましたが、麻辣湯に夢中になりすぎました。時間は有限でやれることは限られているので、今は麻辣湯に全力投球しています。

本当に奥が深い料理で、いまだにまだまだ可能性を感じています。アイデアが次から次へと湧いてくるので都度試してはさらに美味しくしていきたいと思います」(石神さん)

人気のトッピングは野菜類、きのこ、パクチー、モッツァレラチーズなど。石神さんのオススメはメカブとフー玉(揚げたお麩)だ。

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