「料理の脇役から主役へ」スープストック躍進の訳 食の欧米化に伴い、汁もの文化にスープが加わる
2024年の年明けは、地震や航空機事故で有名社寺の初詣客に少し影響が出たが、全体的には人流が戻り、飲食店の客足も総じて好調に推移した。
飲食業のひとつであるカフェ・喫茶店には、コーヒー専門店やベーカリーカフェなど多彩な店が存在するが、調査会社が “スープカフェ”として区分する業態もある。
その代表が“食べるスープ”を掲げる「Soup Stock Tokyo」(運営会社:スープストックトーキョー、以下店名は「スープストック」)だ。1999年に東京・お台場のヴィーナスフォート(当時)に1号店を出してから今年で25周年。現在は国内に54店(2024年1月現在)を展開する。
スープストックといえば、昨年春に後述する「離乳食の無償提供」が話題を呼んだが、コロナ禍初年の低迷期(売上高約70億円)を脱し、最近の業績は好調だ。2023年3月期の売上高は98億7950万円、2024年3月期は100億円を超える見込みとなっている。
現在、どんな思いで運営しているのか。同社の松尾真継社長に聞いた。
七草粥の商品提供時に「健康を祈る」
「1月7日、恒例の『七草粥』を1日限定で販売しました。今回は『瀬戸内産真鯛の七草粥』を提供し、販売数はコロナ前(2019年)比で165%となっています。
スープストックでは、私が社長を務めるようになった2016年から、七草粥の提供時に商品を渡すだけでなく、『今年も1年健康でお過ごしください』といった言葉を添える活動を続けてきました。店舗スタッフも意欲的に取り組んでいます」(松尾社長)
こう振り返る松尾社長は、日商岩井(現双日)→ユニクロ(ファーストリテイリング)を経て2004年に入社。創業者の遠山正道氏(現会長。元三菱商事)に続く商社出身の社長でもある。スープストックではメニュー開発も担当。その後、商品部長や新規事業、法人営業などさまざまな事業部長を務めてきた。
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