「料理の脇役から主役へ」スープストック躍進の訳 食の欧米化に伴い、汁もの文化にスープが加わる
前述の桜新町店利用時には、隣の席で30代と思われる夫婦が乳児とともに食事していた。
「この子にとって初めての外食です。騒動のことは知っており、少し気になりましたが、本人はうれしそうでよかったです」(母親)
乳児はおとなしく過ごし、なかなか見事な食べっぷりだった。
多くの人の体温をあたためきれていない
外食業は参入も多いが廃業も多い多産多死といわれる。昨年発表されたデータでも「閉店したラーメン店、カフェの6割以上が3年以内に営業終了」という調査結果があった。
その中で25年の歴史を刻み、初の売上高100億円を突破する勢いのスープストックだが、残された課題は何か。
「たくさんの方の体温をあたためきれていない、と感じています。コロナ禍では一時全店舗を閉鎖し、ECやデリバリー、卸にも注力。営業再開後の店舗に来られたお客さまに一声かけるなどもしましたが、もっとたくさんの方法があるはずです」(松尾社長)
コロナ以前には「人口が多いイスラム教徒への訴求」を目指して取り組んだ会社もあった。その際の取材では、ハラルメニューの開発(外食業)や礼拝所の設置(宿泊業)といった話も聞いた。インバウンド客が戻った今、新たな訴求も考えられるだろう。
松尾氏の説明では、時に自社を「舞台」に例え、従業員は表現者、利用者は観客として位置づける。社長の役割はプロデューサーで、「プロデューサーが変わればやり方も変わる。20代の従業員の“私にやらせろ”という熱意にも期待します」とも話していた。
ガッツリ食べたい人も含めて、今後どんなやり方で「あたためて」いくのだろうか。
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