あの石神秀幸が「麻辣湯」チェーンを営む深い理由 中国のローカルフードを、なぜ手掛けるように?

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「七宝麻辣湯」のオープンの半年後に滋賀の南草津に「シャンシャンタン」というお店ができたが、しばらくはその2軒のみだけだった。中国出身の人がお店をやるようになったのはだいぶ後になってからだという。

箸あげの様子。体に優しいスープが、春雨にからむ(筆者撮影)

コンセプトは女性が入りやすいお店。この頃、カップの「スープ春雨」が人気だったことに注目し、「春雨」を軸にメニューを作り上げていった。現地だと麻辣湯は「スープ春雨」という売り方はしていないが、日本で広めるにあたってわかりやすくするために春雨を軸にしたのだ。

苦戦が続いたが2012年に転機が訪れる

こうして「七宝麻辣湯」は誕生したが、オープンからしばらくは苦戦が続いた。

「序盤の売り上げはかなり厳しかったです。いろいろな人から口々に『春雨なんか』と言われました。イメージとして『ヘルシーなだけで美味しくない』と思われていたんだと思います。人はなかなか知らないものには手を出さないので、オープン景気が作りづらかったのです。

私がオリジナルで考えたものなら私の独りよがりかもしれませんが、海外でこれだけ人気なのにどうして伝わらないんだろうと悩みました」(石神さん)

トッピングの多さも、若い女性を中心に人気を集める要因だ(筆者撮影)

渋谷店がオープンしてから5年ほどは厳しい状態が続いていたが、赤坂店をオープンした2012年に転機が訪れる。

鳴かず飛ばずの状態が続いていたため、「料理」としてのレベルをさらに上げる努力をしたのだ。もともとは多店舗展開を前提に考えていたので、スープは工場に外注して濃縮したものを使っていたのだが、お店でスープを炊くことにした。

七宝麻辣湯 赤坂店
「七宝麻辣湯 赤坂店」の様子(筆者撮影)
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