子宮頸がんで逝去、医師で母の彼女が遺した思い 娘を持つすべての女性に伝えたい「大切なこと」

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担当した医師には「細胞の検査でがんではなくてびらんだから、閉経するまで度々出血はするものなので、どうしても気になるならレーザーで焼くこともできます」と言われた。

びらんというのは「子宮腟部びらん」のこと。子宮の入り口である子宮頸部の粘膜が外に広がって赤くなった状態をいう。性成熟期の女性の多くに見られるため、病的なものではないが、おりものが増えたり、不正出血が起こりやすくなったりする。そのため、経過を観察することになった。

しかし、2020年2月には風邪でもないのに高熱が出て、排尿の終わりに腹痛が起こるように。今度はかかりつけの婦人科と大学病院へ。診察と検査の結果、子宮頸がんの一種である「腺がん」、それも悪性だと断定できる「classV」と診断された。

泣きながら「ごめんね、ごめんね」

居原田さんの夫・河原さんは、こう振り返る。

「病院で子宮頸がんであることを宣告されたとき、やさしい彼女は自分が一番つらいに違いないのに、泣きながら『ごめんね、ごめんね』と私に謝っていました」

人間ドックやがん検診を受けていたにもかかわらず、見つからなかったのはどうしてだろうか。産婦人科医の宋美玄先生は「子宮頸がん検診を含め、あらゆる検査の精度は100%ではありません」と話す。

「また子宮頸がんには、子宮頸部の入り口にある粘膜組織の扁平上皮細胞から発生する『扁平上皮がん』と、子宮体部に近い腺組織の円柱上皮細胞から発生する『腺がん』があり、より奥にできる腺がんのほうが見つけづらいのです」

子宮頸がんと診断されたとき、居原田さんは38歳。お子さんの年齢は、11歳、6歳、5歳、1歳。別名「マザーキラー」とも呼ばれる子宮頸がんの、まさに好発年齢だった。

居原田さんと河原さん、子どもたち(写真:河原さん提供)
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