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医師が語る「子宮頸がんワクチン情報」の問題点 "打つか打たないかの答えに飛びつきすぎた"

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医師で翻訳者の大脇幸志郎氏に聞いた。

医師、翻訳者の大脇幸志郎氏
大脇幸志郎(おおわき・こうしろう)/医師、翻訳者。東京大学医学部卒業。医療情報サイト、出版社を経て医師に。著書に『医者にまかせてはいけない』など(写真:編集部撮影)

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人の命を左右することもある医療情報。SNS上では私たちの不安につけこんだ、根拠に乏しい情報があふれている。本特集のタイトルは「不安につけこむ『医療情報』の罠」。何を信じ、何を疑えばいいのか。

医療情報のあり方について発信を続ける医師で翻訳者の大脇幸志郎さんに、HPVワクチンをめぐる情報の問題点について聞いた。

 

──HPVワクチンの議論をどうみていますか。

「打つべきだ」「打つべきではない」という答えに皆が飛びつきすぎた。結論を急ぐあまり、「わかっていることはここまでで、わからないことはここから」という情報の基盤が整備されてこなかった。

HPVワクチンは、比較的信頼性が高いランダム化比較試験で、がんの手前の段階である前がん病変が減るところまでは確認されている。一方、がんによる死亡を減らしたという研究は一例もない。

こうした事実を発信するだけで、接種を促す立場の人からは強い反発を受け、私の勤務先の病院にクレームの電話がかかってきたこともあった。

──がんの発症や死亡を大幅に減らせるとうたい、接種を促すキャンペーンもあります。

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