「苦手なこと」は克服するのではなく"回避する" 「恐怖」は人が生きていくために必要不可欠

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最近は、どこもバリアフリー化しているので安心ですが、以前は新しく行く先のエスカレーターは必ずチェックし、長いものだとわかったら、エレベーターや階段の場所を検索してから行くことで難を逃れていました。

少々面倒ではありますが、もし高所恐怖症を治そうとしたら、ものすごく大変なことになりますし、努力しても、おそらく完全には治らない可能性のほうが高いでしょう。ですから私は逆らわずに、苦手なものを回避する方法を考えます。

電話恐怖症の方も、恐怖がなくせないのなら、回避する方法を考えておくといいでしょう。「電話はできないのですが、いつもSNSをチェックしているので、緊急のときはこちらにお願いします」でもいいし、「メールをいただければ10分以内に返信します」でもいいと思います。回避する方法の選択肢をいくつも持っていれば、無理やり電話にこだわらなくてすみます。

また、周囲に「電話が苦手です」ということを公言しておくのもいいでしょう。私も「長いエスカレーターには乗れません」と公言してあるので、みんながエスカレーターに乗るときに「私はエレベーターで行きます」と一人だけ別行動をしても、とくに問題は起きません。

無理して相手に合わせると、ますます恐怖心をこじらせてしまいます。

初めて会う人や新しい職場に行った際には、最初に「電話はちょっと苦手なので、これこれでお願いします」と先手を打って公言しておくとよいと思います。そうすれば、「この人は電話が苦手」という目で見てもらえるので、少々の失敗は大目に見てもらえるはずです。

それに「自分はこれがいやです」とはっきり伝えるだけで、気持ちが楽になることもあるのではないでしょうか。

恐怖は人に必要なもの

そもそも「恐怖」は人が生きていくために必要不可欠な感覚です。恐怖心がなければ、身の安全を守ることができません。ただ何に危機感や不安を持つか、アンテナの立て方は人それぞれだと思うのです。

高いところがこわい人もいれば、狭い空間がダメな人もいます。私の友人の子どもは赤ちゃんのころ、丸いものを見ると泣き出し、ドラえもんやアンパンマンなど丸っこいものはみなダメで、とくに雪だるまを一番こわがったと言っていました。当然ながら、それらが出てくるアニメや絵本も読めなかったそうです。

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