ヤマハ「MT-09 Y-AMT」セミオートマバイクの潮流 試乗して感じたホンダE-クラッチとの違いは?

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ホンダE-クラッチの構造
ホンダE-クラッチの構造(写真:本田技研工業)

また、CB650RなどのホンダE-クラッチ搭載車では、3000rpm付近でクラッチが自動でつながったあと、エンジン回転が一瞬伸びにくくなる傾向がある。その点、MT-09 Y-AMTでは、アクセルを開けたぶん、エンジン回転がシャープに伸びる感じだ。前述のとおり、ヤマハのテストデータでは、0-400m加速で10.9秒というタイムを記録したというから、大型バイクらしいロケットスタートをより味わえるという点では、MT-09 Y-AMTに軍配が上がるだろう。

コーナーや直線の加速などでスポーティな走りをする際、シフト操作のしやすさは両者互角だろう。とくにホンダE-クラッチ搭載車の変速操作は、従来と同じシフトペダルでアップやダウンを行う形式。一般的なMT車に慣れているライダーが乗っても、違和感が少ない。

ちなみに、ホンダE-クラッチ搭載車は、シフトレバーこそあれど、シフトアップとダウンの両方で操作不要だ。また、シフトアップ時にアクセルを戻す必要もないし、シフトダウン時も、アクセルこそ戻すが、前後ブレーキをかけつつシフトペダルを踏み込めばよく、クラッチ操作は要らない。このあたりの操作は、シフトアップとシフトダウンの両方に対応するクイックシフターと同じで、素早いシフト操作を可能としている。

極低速域でのUターンで感じた差

MT-09 Y-AMTのエンジン
MT-09 Y-AMTのエンジン(筆者撮影)

ほかにも、MT-09 Y-AMTとホンダE-クラッチ搭載車では、5km/h以下の極低速でUターンするときに違いを感じた。ホンダE-クラッチ搭載車では、車体がややギクシャクし、バランスを崩しそうな場合もあり、手動の半クラッチを使ったほうがスムーズに走ることができるシーンもあったのだ。対して、MT-09 Y-AMTは、変速がフルオートになるATモードにしておけば極低速域でもかなり安心。変な挙動は一切出ず、アクセルとブレーキの操作などで、車体のバランスを取ることに集中できる。この点を考慮すると、より初心者ライダーにとってハードルが低いのは、MT-09 Y-AMTのほうだといえるかもしれない。

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