平井一夫「ダメな上司を持った時にどうするか?」 一番よくないのは不満げな態度を見せること
学べることは、その人から直に教わる仕事のノウハウだけではありません。普段、どういうふうに仕事をしているか。どう目上の人、目下の人、取引先の人たちなどと接しているか。うまくいっているときには何をするか、逆にうまくいっていないときには何をするか。その一挙手一投足があなたにとってのよきお手本ですから、日々、観察することで学べるところもたくさんあるはずです。
「会社、辞めようかな」と思ったら
仕事は手段、会社は取引相手。どちらも人生の一部にすぎないとはいえ、やはり日々の糧を得るために働くわけですから、重要なものには違いありません。
ときには「この会社、辞めたいな」と思ってしまうこともあると思います。でも、せっかく縁あって働くことになった会社です。ブラック企業、パワハラ上司など病的な状態を除いて、なるべく「辞めずにがんばれる方法」を探ったほうがいいでしょう。
特に人間関係を理由に、衝動的に辞める選択肢を取るのはおすすめしません。なぜなら、どこに行っても人間関係の悩みは付きものだからです。だからこそ、いろいろな人間がいる中でどうコミュニケーションを取って仕事をするかが問われているわけです。その努力をろくにせぬまま「上司とソリが合わないから辞める」では、おそらく次に働く場所でも同じ壁にぶつかるでしょう。
こうして仕事人として必須の素養を培えぬまま職場を転々としていたら、当然、立場も給料も上がりません。何より仕事にやりがいを感じられず、何かを成し遂げる喜びを味わう機会にも乏しくなってしまう。そんな仕事人生を送りたい人はいないでしょう。
ですから、「この会社、辞めたいな」と思ったときには、まず、そう思わせている原因について、本当に辞める理由として妥当なのかを冷静に考えてみる必要があります。ひょっとしたら、あなたのちょっとした意識や行動により、「辞めたい」と思った原因が解消あるいは縮小するかもしれません。そうしたら、相応に労力のかかる「辞める」「転職する」という選択をせずに済みます。
さらには、そこを出発点として、今の仕事に少しずつ楽しみを見出し、今の会社で働くことに少しずつ喜びを感じられるようになったら何よりでしょう。
転職を考えてはいけないということではありません。取ろうと思えばいつだって、転職という選択肢を取ることができる。いわば切り札として「転職」を手元に置いた状態で、まず、今の環境でベストを尽くす方法を考えてみようという話なのです。
「ここしか居場所がない」と思うと、悲愴感と共に会社にしがみつくことになってしまいますが、転職という切り札があると思うだけで気持ちに余裕ができるはずです。
特に現代、転職は珍しくありませんから、「辞めようと思えばいつでも辞められる」「転職しようと思えばいつでも転職できる」と思っていても問題はないでしょう。すると、より大らかな気持ちで今の環境を眺め、そこでの過ごし方についても考えやすくなると思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら