平井一夫「ダメな上司を持った時にどうするか?」 一番よくないのは不満げな態度を見せること
ただ、不運にも悪い上司に当たってしまった場合でも、腐ったらそこでおしまいなのです。厳しいことを言うようですが、腐っていても誰も何もしてくれません。どんな状況においても、あなたのアクションなしに次の扉は開きません。
裏を返せば、あなたさえ「何とか、よりよくしたい」という意欲を失わずにアクションを起こせば、何かしら、あるいは誰かしらの助けで光明が見えてくるものです。人生に後ろ向きになっている間にも、何かできることがある。それを探すこと。「こんな状況だけど、できることはないか?」という方向に、頭と体を動かしましょう。
周囲はあなたを「心配と見守りの目で」見ている
したがって、ダメな上司を持ってしまったときに一番よくないのは、不満げな表情で働くことです。
当然ながら、会社にはその上司とあなただけでなく、他の課や部の長、先輩・後輩社員などたくさんの人たちがいます。そして往々にして、EQの低いダメ上司のダメさ加減は周りの人たちも承知しているものです。
そういう人たちが自分のことを見ているんだ、という意識を持ってください。では、ここで視点を反転させて、その周りの人たちの立場から考えてみましょう。一人の若手社員が、不運にも例のダメ上司の下に配属されてしまった。さて、彼・彼女はどうするだろうか。試すような意地悪な視点ではなく、半ば心配と見守りの目で遠くから見ています。
すると、案の定というべきか、理不尽な環境でみるみるやさぐれてしまい、ふてくされた様子で仕事をする姿をよく見かけるようになってしまった。残念。かわいそうだけど、彼・彼女はこのまま芽が出ないままだろうな──というのがケース1。
あんな上司の下では苦労も多いだろうに、一生懸命やっているな。大変そうではあるけど、周り人たちともちゃんとコミュニケーションを取って、いつも笑顔で健気にがんばって仕事をこなしている。これは見どころがある。きっと素晴らしい人材に成長するだろうから、今のうちから目をかけておこう──というのがケース2。
少し極端すぎたかもしれませんが、今挙げた2つの事例から、なぜ不満げに働くのがよくないかが明確に見て取れるでしょう。
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