「人口8%増」豪州の超田舎町を訪ねたら凄かった 「産直」ならぬ「人が産地へ」が地方再生のカギに

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ギップスランド
「食べ物が一番おいしい場所はとれた地元」と語るロブさん(写真:筆者撮影)
ギップスランド
「地元のものを食べましょう。南ギップスランド」と記された大きなシール(写真:筆者撮影)

農産物や海産物ではなく、人が動く。旅行業界の視点に立てば「ガストロノミーツーリズム」とはそういうことになる。だが、ギップスランドでは旅行業界を越えた「地方再生」の流れを導き出している。

それを可能にしたのは、先にも挙げたレストランや小規模宿泊施設、ワイナリー、農業製品生産者たちによる「スモールビジネスの協業」だ。フードマイレージを考慮した地産地消。食を主軸にした「町おこし」だった。

旅行業界を越えた「地方再生」の流れ

もちろん、課題がないわけではない。なんといっても「核」となるのは、レストランやカフェで、それらが一気に増えるわけではない。つまり、ガストロノミーツーリズムは爆発的に成長する産業ではないのだ。

だが、ゆるやかかつ継続的な成長を期待できるものこそ、望ましいのではないだろうか。

「一発の打ち上げ花火でなくサスティナブルな地方再生」。今回の取材で出会った人たちの顔を思い出すと、ふとそんなフレーズが頭に浮かんだ。

柳沢 有紀夫 海外書き人クラブ主宰 オーストラリア在住国際比較文化ジャーナリスト

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やなぎさわ ゆきお / Yukio Yanagisawa

世界100か国350人以上のメンバーを誇る現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。会員たちとともに新潮文庫や朝日新書、角川つばさ文庫での共同執筆、「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)、「ちゃぐりん」(家の光協会)、「サライ.jp」「BE-PAL」「@DIME」(いずれも小学館)、「日刊SPA!」「女子SPA!」(いずれも扶桑社)などでリレー連載などを手掛ける自称「世界を股にかけた世話焼きオジサン」。慶應義塾大学文学部人間科学専攻。オーストラリア・ブリスベン在住。

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