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「人口8%増」豪州の超田舎町を訪ねたら凄かった 「産直」ならぬ「人が産地へ」が地方再生のカギに

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  • 柳沢 有紀夫 海外書き人クラブ主宰 オーストラリア在住国際比較文化ジャーナリスト
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食材が生まれた場所の風景を楽しみながら味わうのも、ガストロノミーの1つ(写真:筆者撮影)

たとえば、モーツァルトの音楽は聴くだけでも楽しいが、彼の生い立ちやその曲が生まれた背景を知れば、より深く味わえるようになる。加えて、彼が生まれ育ち、活躍したオーストリアのザルツブルクやウィーンなどの地で彼の音楽を聴けば、より感動的な体験へと深化する。それと同じことなのだろう。

欠かせない「協業者」の存在

ただし、それはマッツさんのようなシェフだけでできる話ではない。

「素晴らしい食材を生産する場所でなければ、ガストロノミーツーリズムは成立しません。幸いなことに、ギップスランドは質のいい農作物や魚介類の宝庫ですし、乳製品の名声はオーストラリア中に知れ渡っています。もちろんそれは生産者あってのことです」(マッツさん)

ほかにも協力者は必要だ。彼が住むレイクスエントランスはメルボルンから長距離列車なら約5時間、車でも約4時間かかる。日帰り圏内ではなく、宿泊が必要となる。

「最近では牧場オーナーの方などが自然豊かな敷地内に小規模なグランピング施設も作ることが増えていて、私たちのような地元のレストランの利用をゲストに勧めてくれます。ガストロノミーツーリズムにはこうしたスモールビジネスとの協業が欠かせません」とマッツさんは言う。

ある牧場が1棟だけつくったグランピング施設(写真:筆者撮影)

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