この定義を用いると、日本のJIS規格において定められた外直径7.272mm、太さ1.454mm、切目の幅1.454mmのランドルト環を、形をそのまま大きさを2倍に拡大したものが識別できれば視角は2分であるため、視力は0.5となります。逆に、このランドルト環の大きさを1/2にしたものが識別できれば視力は2.0となります。
「視力11.0」は何が見えるのか
ちなみに、視力が世界でいちばんいいのは、アフリカのタンザニアで暮らす狩猟採集民ハッザの人々であるといわれています。いちばん視力のいい人で日本での計測方法に換算すると「視力11.0」にも達するようです。視力11.0を先ほどの定義に当てはめると、JISの規格のランドルト環を55m離れた場所から識別できることになります。
55m先の「1.454mm」の隙間が見えるとはどのくらいのスケールなのか。1円玉の厚さが1.5mmであるため、あえて例示するのであれば、50m以上先の1円玉の連なりを見て、何枚あるか数えられるということです。
皆さんがこれまでおそらく一度は触れてきたであろう「視力」。しかし、その数値の定義についてはあまり知らなかった人が多いでしょう。これをきっかけに、何気なく見ている普段の数字にも、意味を考えたり、大小を比べてみたりしていただけると幸いです。
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