視力を定義するためには、「視角」という概念を理解することが必要です。視角は「目と物体の両端を結ぶ2直線のなす角度」のこと。
視角の単位は、基本的に「分」が用いられます。1分は60分の1度であり、これを用いて視力は、
「文字や形を視標として、各部の太さや間隔、隙間を視角1分、その全体を視角5分としたとき、これを見分けることができる視力を1.0とする」
と定義されています。これを「5分1分角の原理」といいます。この原理を基準にして作られたのが、視力検査でなじみのある「C」のような図形を見て、そのCがどの方向を向いているかを答える「ランドルト環」です。
現在では、外直径7.272mm、太さ1.454mm、切目の幅1.454mmのランドルト環のどの方向に穴が空いているのかを、5m離れた位置から識別できれば「視力1.0」であると定められています。視力の定義にも厳密な数学の計算、そして図形的な考え方が用いられているのです。
視力の計算式
では、2.0や0.5といった視力の基準はどのようになっているのか。それは、以下のような式が用いられています。
視角が1分のときは、視力も1(1.0)となります。視角が広がって2分になれば視力は0.5に、逆に視角が0.5分になれば、視力は2(2.0)となります。視力と視角は、数学でいう「逆数」の関係になります。
視角が広くなると視力が落ちると聞くと直感とは異なるように感じますが、ここでいう「視角」は目で見ることのできる角度の大きさではなく、文字や形の形を識別できる角度の小ささを表しているため、数字が小さくなるほど目がいいということになるのです。
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