みなさんは流れ星を見たことがありますか?
見たことがあっても、あっという間に消えてしまって、「何も願いごとができなかった……」なんていう人もいるかもしれません。
そもそも「流れ星に願いごとを3回唱えると、その願いが叶う」というのはどうしてなのでしょう? それは、欧米で語り継がれている神話がもとになっています。
想像力豊かですよね。神話的には、流れ星は「神様ののぞき見」だったというわけです。
願いごとが神様の耳に届けばいいなら、唱えるのは3回じゃなくて1回だけでよくないですか? 私は観望会で「流れ星への願いごとは1回でOK」と提唱しています。
科学的に考えると流れ星は「宇宙のチリ」
ではその流れ星に出合う確率を高めるにはどうしたらいいのか。そこで科学です。
科学的な観点でいうと、流れ星の正体は「宇宙を漂うチリ」です。このチリが地球の空気とぶつかると、夜空をピューッと駆ける流れ星になります。直径1ミリくらいの小さな粒でも肉眼で見える流れ星になります。
宇宙のチリは、1日に約100トンも地球に降り注いでいるといわれています。なので私たちが気づいていないだけで、日中にもたくさんの流れ星が輝いているはずです。
タイミングによっては、ひと晩にあまたの流れ星が見られることがあります。
カギとなるのは「彗星」です。彗星は氷とチリからできた天体で、太陽の熱で氷が溶かされると、あちこちにチリをまき散らします。彗星の通り道を地球が通過すると、一夜に何百もの流れ星が見える「流星群」になります。
流星群のなかでもとくに流れ星の数が多い「三大流星群」がオススメです。「しぶんぎ座流星群」(1月4日ごろ)、「ペルセウス座流星群」(8月12日ごろ)、「ふたご座流星群」(12月14日ごろ)、この3つをおさえておくといいでしょう。
この夏、広島の山奥で開催したペルセウス座流星群の観望会では、空を切り裂くような流れ星がいくつも見え、参加者と一緒に「おおぉぉぉ!!」と歓声を上げていました。結局、1回だけだとしても願いごとは唱えられませんでしたが(笑)、一生モノの思い出になりました。
次は、今年12月のふたご座流星群は月明かりの影響で見えにくいので、来年1月3日の夜中(4日の0時)に極大を迎えるしぶんぎ座流星群を狙うのがいいでしょう。
数は多くないですが、この秋に流星群を楽しむこともできます。
太陽系の天体の動きを感じながら、また、神様ののぞき見を期待しながら、流れ星を待ってみてください。
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