【15年ぶり】「土星観測」好機が到来!楽しむコツ 2024年秋に訪れる「衝」を"東大宇宙博士"が解説

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この秋は、スペシャルな土星を楽しむことができます。

9月8日、土星が地球から見て太陽とちょうど反対側にきます(天文学の用語で「衝」といいます)。

年間でもっとも大きく明るい土星が、日の入りごろに東から昇り、日の出ごろに西に沈むまで、一晩中見られるのです。

今年15年に一度の好機到来!「土星観望」

9月17日には、土星が「中秋の名月」と大接近します(中秋の名月については、次回詳しくお話します)。

そして来年2025年には、なんと、15年ぶりに土星の環が消失します!……といっても、本当に環がなくなるわけではなく、土星を真横から見る位置関係ため、環が見えなくなるのです。

すでに現時点でも環は細くなっていて、土星は串にささった団子のような姿をしています。

来年の消失に向けて、ぜひこの秋の土星も見ておきましょう。

土星の環は肉眼では見えないので、天体望遠鏡を使うか、天文台に行くといいでしょう。

本来、星空を眺めるのに言葉や知識は必要なく、自分の感性で好きなように楽しんだらいいと思います。ただ、神話や科学を知ると、夜空の景色が奥深く感じられるようになります。

いわば、神話や科学は星空を楽しむための「スパイス」のようなもの。素材(星空)そのままでも十分ですが、スパイス(神話や科学)があると素材の良さが引き出されるのです。

神話と科学、一見真逆のように思えますが、自然を丁寧に観察し、何が起きているのかを説明したいと思う気持ちは共通しています。太古の人々観察力と発想力に驚かされる人もいれば、科学的な手法で事実が解き明かされることに感動する人もいるでしょう。

また、神話や科学以外にも、星にまつわる音楽を聴きながら、あるいは、宇宙をテーマにしたSF小説を読みながら……など、星空の楽しみかたは無限にあります。ぜひ自分なりの楽しみかたを見つけてみてください。

                     (イラスト:村上テツヤ)

井筒 智彦 宇宙博士、東京大学 博士号(理学)

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いづつ・ともひこ / Tomohiko Izutsu

1985年生まれ。東京大学理学系研究科 地球惑星科学専攻 博士課程修了。NASA(アメリカ航空宇宙局)人工衛星のデータ解析により、宇宙プラズマの乱流輸送現象を世界で初めて実証し、2010年地球電磁気・地球惑星圏学会にてオーロラメダルを受賞。東京大学での研究を終え、コロラド大学のNASA人工衛星解析チームに入る話が進むも辞退し、2013年少子高齢過疎化が進む広島県北広島町芸北地域に移住。宇宙飛行士のコスプレをして、テレビ、ラジオ、新聞、YouTubeなどのメディアで宇宙の魅力を楽しく伝えながら、「宇宙町おこし」に取り組んでいる。その活動が評価され、2015年公益社団法人日本青年会議所の人間力大賞・総務大臣奨励賞を受賞。

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