若者が「仕事が面白くないから辞める」本当の理由 優秀な上司の「優秀さ」が時に部下を追い詰める
また、心理学者J・リチャード・ハックマンと経営学者グレッグ・R・オルダムは、人のモチベーションに影響する仕事の特性を「職務特性モデル」として理論化しました。
この職務特性モデルでは、次の5つの要素がモチベーションを高めるためには重要だとされています。
② フィードバック:手応えを感じる、承認の言葉がある
③ タスク重要性:仕事に意義ややりがいを感じる
④ タスク完結性:始めから終わりまで一貫して携われる
⑤ 自律性:自分の裁量で仕事を進められる
この職務特性モデルは「仕事が面白い」と感じる要素ともいえます。
仕事の面白さは上司の関わり方で変わる
この点、経営心理士講座のディスカッション結果と職務特性モデルの各要素を見比べて、近い要素を同じ番号としています。
これをご覧いただくと、その内容が非常に似通っていることがわかります。
この内容から「仕事の面白さに関する心理」が見えてきます。
いずれも①は仕事の内容に関するものですが、②~⑤は上司の関わり方や仕事の任せ方に関するものです。
ここからわかるのが、同じ仕事の内容でも上司が②~⑤に対応するかどうかで、仕事が面白いと感じるかどうかは大きく変わるということです。
そこで今回はこの5つのうち「④仕事についていけない、仕事が進捗しない」「⑤仕事の裁量権がなく、やりたいようにやれない」について、部下をこの状況にさせてしまいがちな上司のタイプと対応法についてお話しします。
この対応にあたっては、行動科学者のポール・ハーシーと組織心理学者のケネス・ブランチャードが提唱したSL理論に基づく対応が効果的です。
SL理論とは、Situational Leadership理論の略で、部下の成熟度を4つに分け、それぞれの成熟度に応じた関わり方を示しています。その関わり方は次のとおりです。
・部下の成熟度が中程度:説得的リーダーシップ→こちらの考えを説明し、疑問に応える程度の関わりにする
・部下の成熟度が高い:参加的リーダーシップ→より良い方法や今後の方針を一緒に考えさせ、部分的にマネジメントに参加させる
・自立できている:委任的リーダーシップ→業務遂行の裁量を与え、極力口を挟まない
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