松山英樹「銅メダル」に沸く五輪ゴルフの未来図 テニスのように「ゴールデンスラム」となるか

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筆者が新聞社時代に取材した1992年のバルセロナ五輪では、バスケットボールがプロ解禁になった。

NBAは五輪の価値に疑問を感じていたが、数億円を稼ぐマジック・ジョンソン、マイケル・ジョーダンといった選手たちは「乗り気」で「ドリームチーム」として、圧倒的な力を見せつけた。

この成功で、以後の五輪にアメリカは「ドリームチーム」を送った。それが世界への普及に結び付いて、NBAには世界各地から選手が集まっており、ほとんどの出場国にはNBA選手がいて、各国の力の差も縮まっている。

テニスもバスケットも、プロが五輪に出場してもお金にはならない。高額を稼ぐプロたちがどういう価値を見出すのか。

それぞれで五輪への考え方は違うだろうが、基本的に「勝ちたい」「1番になりたい」という思いが強いのがプロであり、その競技を「将来のために普及させたい」という思いもあるだろう。

国を代表するというのも「くどき文句」の1つになるだろうか。何より、「4年に1度」しかチャンスが来ない五輪の金メダルの希少価値は大きい。

五輪での活躍で注目度が上がる

そして、プロが出場する「魅力」は、五輪競技として存続するかどうかにもかかわってくる。

例えば野球。東京五輪では競技として復活し、日本が金メダルを獲得したが、今回のパリ五輪では実施されなかった。開催国を含めた世界各国への普及度や一般への人気などが大きくかかわってくる。

野球に魅力がないわけではもちろんないが、道具や場所など野球には制約も多く、世界的に普及していない現実はある。

次の2028年ロサンゼルス五輪でまた野球が復活するというから、アメリカも日本も「ドリームチーム」をつくって映像を通じて世界に野球の魅力を伝え「五輪から野球を外せない」とスポンサーも含めた五輪関係者、ファンに思わせることが次につながる。

翻ってゴルフはどうだろうか。

ゴルフ競技は、次のロサンゼルス五輪では実施が決まっている。2032年のブリスベン(オーストラリア)もゴルフが盛んなところ。ゴルフ競技としてはそこからが勝負だ。

パリ五輪では、会場のル・ゴルフ・ナショナルに連日3万人近いギャラリーが詰めかけた。確かに映像を見ると、どのホールにも人がたくさんいた。

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