錯覚から探る「見る」ことの危うさ《第1回》--錯視図形~古くて新しい不思議

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杉原厚吉 明治大学特任教授

目の錯覚とは、図形などが実際とは違うように見えてしまう現象である。錯視とも言われる。平行な線が平行ではなく見えてしまうツェルナーの錯視(図1)、同じ長さの線分が違った長さに見えてしまうミュラー・リヤーの錯視(図2)などは、誰でも知っているもので、子供のころこれを見てとても不思議だと感じた人は多いであろう。


■図1 ツェルナーの錯視


■図2 ミュラー・リヤーの錯視


 錯視の例をさらに観察してみよう。図3は、同じ大きさと形の二つの図形なのに大きさが違って見えてしまうもので、ジャストローの錯視と呼ばれている。図4は、描かれていない白い三角形の輪郭線が見えてしまうものでカニッツァの主観的輪郭と呼ばれている。


■図3 ジャストローの錯視


■図4 カニッツァの主観的輪郭

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