東京で膨張する中国人「地下銀行」禁断の現場直撃 「不動産爆買い」の裏にある資金循環の謎を解明
アッパーミドル層を中心とする中国からの「新移民」の間で「地下銀行」のニーズが高まっている。日本の不動産などを買うには、中国に置いてある資金を日本に持ってくる必要があるからだ。「地下銀行」は中国語だと「地下銭荘」と呼ばれ、政府による金融監督システムの外で国際送金などのサービスを行うグレーな事業者を指す。
地下銀行興隆の背景としては、中国での資本規制の強化に伴って海外への資金持ち出しが難しくなっている状況がある。
都内で不動産仲介業者として働き、自身も地下銀行を通じ複数回の合計で約2億円の送金に成功したという在日中国人男性は、「中国の銀行に持ち込んでも送金の際に何の目的かを聞かれ、『家を買うため』などというと一発アウトです」と話す。
「昔からいろんな人に現金を運んでもらう『螞蟻搬家』(「アリの引っ越し」、転じて少額を手分けして海外に持ち出すこと)はありましたが、この方法は今では使いものになりません。手で現金を持って行っても税関で止められるかもしれません」(同)
中国には毎年5万ドルまでなら外貨に両替できるというルールがあるが、資本規制の厳格化によって近年それすらも有名無実化しつつある。そこに地下銀行の出番がある。
東京都内の地下銀行に潜入
筆者は都内の繁華街の一角にある中国人御用達の地下銀行へ潜入することができた。外見は普通の中古品買い取り店だ。しかし店内は真っ暗で、何も商品が置かれていない。てっきり移転したのかと思ったが、奥の扉からひょっこり中国人の女性スタッフが顔を出してきた。両替したい旨を伝えると、別室に通してくれた。
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