日本のインター校に中国から「教育移民」が殺到中 自国の半分以下の学費が「中国脱出組」には魅力

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
中国から日本のインターナショナルスクールを目指す動きが加速している(写真は本文と関係ありません)(写真:PIXTA)

東京を中心として、日本のインターナショナルスクール(以下、インター)に中国人が殺到している。

「先日アメリカンスクール・イン・ジャパン(東京都調布市)の説明会に行きましたが、参加していたのは8割がた中国人のようでした」。子どものインター進学を検討している保護者は語る。

インター受験生・在校生専門の学習塾EGCISの斎藤幸塾長によると、日本のインターに通う中国人が目立ってきたのは5年ほど前から。今では、EGCISには中国人保護者から週1回のペースで問い合わせが来ており、その中には中国大陸から直接というケースも多い。

「上海、北京、広州といった大都市に在住していて、親は英語や日本語も話せる裕福な家庭」という共通点があり、日本に来てすぐにレッスンが始められるよう希望する保護者もいるとのこと。EGCISでは在校生の約10%が中国系となっている。

このトレンドは、コロナ禍以降に顕在化した中国から脱出する「潤(ルン)」という動きと密接に関係している。「潤」とは、さまざまな理由からより良い暮らしを求めて中国を脱出する人々を指す。もともと「もうける」という意味だが、中国語のローマ字表記であるピンインではRunと書くことから、英語の「逃げる」とダブルミーニングになっている。

(関連記事:中国から日本へ大脱出する「新富裕層」驚きの生態)

中国のアッパーミドルが日本を目指す理由

日本に「潤」してくる人々はいくつかに分類可能だが、そのうちの一つが中国の大都市に住むアッパーミドルクラスの子持ち家庭だ。

2023年に上海から日本に移住してきたばかりの郭さん(仮名、48歳)はその典型例。東京で仕事が見つかったことで、妻と息子を連れ日本へ拠点を移すことを決意。その息子は、都内のインター4校については不合格だったり条件面で折り合わなかったりしたものの、最終的には横浜のインターに通うことが決まった。

上海のインターでの同級生の家庭も、カナダ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアなどへ次々と移住していると証言する。2022年から2023年にかけて、同じクラスの生徒の3分の1が中国を去ったという。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事