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円安「牽制とスルー」裏腹な日銀の先延ばし戦術 国債買い入れの減額計画を示すのは次回7月

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国債買い入れの減額に向けて慎重なプロセスを踏む日銀。債券市場に配慮しつつ、円安も意識せざるをえない。

前回の反省からか、為替について慎重な発言に終始した植田総裁(編集部撮影)

日本銀行は6月14日の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ額を減らす方針を決定した。今後1~2年の具体的な減額計画を7月30、31日の金融政策決定会合で決定するとした。

新味はない。4月の決定会合の主な意見でも長期国債購入の減額に言及はされており、それへの反対意見はなかった。5月には若干買い入れ額が減っており、6月に動きがあるだろうと市場は織り込み済みだった。

むしろ市場では「具体策の提示もある」との期待があったため、具体的な計画発表を「先延ばし」したものと当初は受け取られた。発表直後はドル円の為替レートが一時1ドル=157円から158円へと円安が進んだ。

「相応の規模」とはどれくらいか

現在、日銀は月6兆円規模で国債を買い続けている。これは償還と差し引きで、現在約590兆円の国債保有残高がおおむね維持される規模だ。国債買い入れ額を減額すれば着実に保有残高は減少していく。ただ、異次元緩和開始前の保有残高よりもはるかに多い状態は続く。

減額計画について植田和男総裁は「具体的な減額幅やペース、枠組みなどについて市場参加者の意見も確認しながら作っていく」と記者会見で回答した。ただ、「減額をする以上、相応の規模となると考えている」(植田氏)とした。

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