イラン人たちが日本に「壮大な片思い」するわけ 『イランの地下世界』若宮總氏に聞く

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『イランの地下世界』著者の若宮 總氏
イラン当局からの特定を避けるため顔出しNGの条件で取材に応じた。紙に描かれたのはペルシャ語の「へのへのもへじ」(撮影:尾形文繁)
[著者プロフィル]若宮 總(わかみや・さとし)/ライター。10代でイランに魅せられペルシャ語を学ぶ。20代から留学や仕事で長年現地に滞在。イラン人向けの日本文化の発信にも携わる。イランによる検閲は国外にも及ぶため、ペンネームを使用している。
ライシ大統領の急死やイスラエルとの緊張関係など、国際ニュースでたびたび耳にする国、イラン。女性へのスカーフ着用強制や独裁体制といった負のイメージが先行しがちだが、著者はイラン人との会話を通じて知った素の姿を日本に伝えたいという。
イランの地下世界 (角川新書)
『イランの地下世界 (角川新書)』(若宮 總 著/角川新書/1056円/296ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──何がきっかけでイランにのめり込んだのですか。

まだインターネットがなかった小学生の頃、テレビで見たシルクロードの番組に心を奪われた。図書館で中東のモスクやバザール(市場)などの写真を見て、猥雑(わいざつ)な雰囲気に憧れを抱いた。

2001年の世界同時多発テロをきっかけに、イスラム教と、イスラム体制を取るイランに興味を持ち、大学でペルシャ語を学んだ。

留学や現地企業への就職でイランに滞在したが、デモなどが発生すると、日本大使館から外出を控えるようメールが来る。傍観者となるのがいやで、本当に危険なのか、どういう人が参加しているかを見てみよう、と反米デモにあえて足を運んだこともある。

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