12月8日、シリアのアサド政権が崩壊した。「アメリカとイスラエルへの対抗」という共通の目的でシリアと同盟関係にあったイランにとって、アサド政権の崩壊は大きな打撃となっている。イランをとりまく今後の見通しについて、坂梨祥・日本エネルギー経済研究所中東研究センター長に聞いた。
――アサド政権の崩壊は、イランにどのような影響をもたらしますか。
イランにとってシリアのアサド政権は、「アメリカとイスラエルへの対抗」を掲げる同盟相手だった。アサド政権の崩壊は、イランが重要な同盟相手を失ったことを意味する。
それだけではない。イランにとってシリアは、イスラエルに抵抗する勢力を支援する重要な拠点でもあった。たとえば1982年のイスラエルによるレバノン侵攻以来、在シリアのイラン大使館を拠点に、レバノンのシーア派勢力ヒズボラを支援してきた。
このような支援は、イランにとって「前方防衛」の一環でもあった。イランは今、防衛戦略の見直しを迫られている。
日本がエネルギーを依存するペルシャ湾地域の混乱も
――中東での混乱が広がる可能性もあるのでしょうか。
アサド政権の崩壊によって、中東のパワーバランスは大きく変わりつつある。イスラエルは自信を深め、トルコも存在感を高めている。
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