トランプ氏の再登板で混迷深まる「中東情勢」 パレスチナの「平和」を阻む決定を実行するのか
パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルによる攻撃で人道危機的状況が続いている。収束の兆しは見えず、中東での緊張は周辺諸国にも拡大しつつある。2025年以降の中東はどうなるのか、専門家に聞いた。
12月4日(水) 「ガザ戦闘の火種を生んだ」トランプ氏再選の深刻
12月上旬 田中浩一郎(慶応義塾大学総合政策学部教授)インタビュー
12月中旬 坂梨 祥(中東研究センター センター長 研究理事)インタビュー
12月中旬 曽我太一(イスラエル在住ジャーナリスト)寄稿記事
親イスラエル的立場をとるトランプ氏がアメリカの次期大統領に決定した。これに対するパレスチナ人の反応は次のようなものだった。
「共和党にしろ民主党にしろ、どちらの政権になっても、アメリカが私たちパレスチナ人のことを気にかけないことだけはわかっている」
「アメリカが共和党政権になったところで、偽善的に『パレスチナで和平を達成し、パレスチナ国家を樹立する』と言っていた民主党政権と変わらない。トランプ氏がパレスチナの平和の可能性を阻む決定を、より速く実行することは確かだ」
状況がよくなると見るパレスチナ人の声は聞こえてこない。それどころかトランプ次期政権の行動によっては、パレスチナの状況がさらに悪化する可能性もあると中東の専門家たちは見る。
ガザでは4万人以上が犠牲になった
2023年10月7日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム教組織ハマスがイスラエルを攻撃し、イスラエルでは約1200人の死者が出た。この日以降、イスラエルはガザに空爆などの攻撃を続け、4万人以上が犠牲になった。
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