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シリア「アサド政権崩壊」がもたらす周辺国の衝撃 最大の反体制勢力「HTS」が首都制圧し、権力掌握

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12月8日、シリア最大の反体制勢力が首都ダマスカスを占拠。2000年から独裁政権を敷いてきたアサド大統領はロシアへ亡命した。今回の事態の背景と関係国への影響、そして今後の見通しについて専門家に聞いた。

アサド大統領の逃亡後、シリアの首都ダマスカスで祝福する市民たち(写真:Getty Images Europe)

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2023年10月7日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃して以降、中東では緊張が拡大しつつある。
イスラエルの隣国シリアでは2011年から、民主化運動を弾圧したアサド政権と反体制勢力の間で内戦が続いてきた。これまでに約40万人以上の命が失われ、国内外に1200万人以上が逃れている。
そうした中で12月8日に起きた、反体制勢力による首都ダマスカスの占拠とアサド政権の終焉。今後どうなるのか。シリア情勢に詳しい東京外国語大学の青山弘之教授に聞いた。

――シリアで何が起きているのでしょうか。

シリアのアサド政権は、隣国イスラエルと戦闘状態にある一方、同じく隣国のレバノンとは共闘していた。しかし、11月27日にレバノンがイスラエルとの休戦に合意。この合意でアサド政権の緊張状態が緩んだ隙を狙って、反体制勢力が一気に攻勢を強めた。

アルカイダ系組織が首都ダマスカスを掌握

アサド政権はロシアとイラン、そしてレバノンのイスラム教組織ヒズボラの3つを後ろ盾としながら反体制勢力と戦ってきた。

あおやま ひろゆき 東京外国語大学教授。東京外国語大学卒、一橋大学大学院にて博士号(社会学)取得。シリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所、JETROアジア経済研究所研究員を経て現職。専門は現代東アラブ地域の政治、思想、歴史(写真:本人提供)

その反体制勢力の中で最大の勢力が、今回首都ダマスカスを掌握したシャーム(シリア)解放機構(以下、HTS)というグループだ。

シリアと反体制勢力の戦闘は2020年ごろから膠着状態にあった。が、2022年にロシアはウクライナ戦争を始め、2023年10月以降はイランとヒズボラが、イスラエルとの戦闘で大きなダメージを受けた。

こうしてロシア、イラン、ヒズボラというシリアの後ろ盾3つがともに弱体化した。

シリア自体も、イスラエルからの連日の爆撃によって相当な打撃を受け、疲弊していたタイミングだった。

――HTS(シャーム解放機構)とはどのような組織ですか。

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