Z世代就活生にはなぜ「副サークル長」が多いのか 『Z世代化する社会』舟津昌平氏に聞く

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『Z世代化する社会』著者の舟津昌平氏
[著者プロフィル]舟津昌平(ふなつ・しょうへい)/東京大学大学院経済学研究科講師。経営学者。1989年生まれ。2012年京都大学法学部卒業、19年同大大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。京都産業大学経営学部准教授などを経て、23年10月から現職。著書に『制度複雑性のマネジメント』『組織変革論』など。(撮影:尾形文繁)
「近頃の若者は……」と嘆く声はいつの時代にもある。では、今の若者であるZ世代はどんな人たちか。彼らを理解することで現代社会の構造がわかる、と経営学者が鋭く斬り込んだ。
Z世代化する社会: お客様になっていく若者たち
『Z世代化する社会: お客様になっていく若者たち』(舟津昌平 著/東洋経済新報社/1760円/314ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──世界でZ世代が話題ですが、日本での特徴は何でしょうか。

日本に明るい見通しを持てていないこと。企業の現金・預金や利益剰余金などの財務指標は、この15年ずっと右肩上がり。ただ賃金上昇に還元されておらず、社会がよくなっている実感はない。これが社会不安につながっている。

結果として、程よく賢く、自分だけ生き残ろうとする。一見すると丁寧でいい人が多いが、人に嫌われないように、好かれるように演技するのがとても上手だ。不安があって傷つきたくない。とにかくリスクを避けようとする。

例えば、都合が悪いと黙る。授業で学生の半分が課題を期限どおりに出さなかった。だが誰も謝らず、遅れてでも提出するとも言わず、提出したかと思えば期限が来ていないかのように振る舞う。怒られるのを避けるため、何もなかったかのようにやり過ごそうとする。利己的で短期的なリスク回避傾向が強い。

若者への接し方も無関係ではない。最近は「ほかの会社で通用するか不安」との理由で離職する「不安型離職」が話題で、若手社員への対応について研修が行われる。新卒内定者の保護者会を開き、大学でも教員が保護者対応を行う。新入生には高校までのようにクラスが用意され、教員が面倒を見る。

学校と会社の垣根も曖昧化して、日本社会は、根拠のない不安を抱えながらZ世代を育てている。

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