「本屋がある」の支え手を全国に訪ねた2年半の旅 『本屋のない人生なんて』書評

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『本屋のない人生なんて』三宅玲子 著
本屋のない人生なんて(三宅玲子 著/光文社/2090円/344ページ)
[著者プロフィル]三宅玲子(みやけ・れいこ)/ノンフィクションライター。子ども2人が保育園の頃にフリーのライターに。現在は「ひとと世の中」を中心にオンラインメディアや雑誌、新聞にて取材、執筆。著書に『真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園』など。

北海道から九州まで、ノンフィクションライターの著者が全国に11の本屋を訪ねた旅は、2019年秋に始まり、22年春に終わった。感染症の流行が世界を覆い、人に会うことが困難だったこの時期に、取材を敢行した動機が、独白のようなタイトルに集約されている。

本屋のない人生なんて、とつぶやくのは、「本屋のある人生」を知る人だ。「ない」人生を生きてきた人に「ある」人生を想像することは難しい。音楽を聴く習慣のない人が、音楽が傍らにある人の生活を想像しにくいように。

では、何をもって本屋が「ある」とするのか。

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