Kさんはもともと、とても穏やかで柔らかい話し方をなさいます。普段の会話はそれでいいのですが、大勢の前でスピーチをするにはちょっとエネルギーが弱いかもしれないですね。そんなKさんに、勧めるひとつめのコツは、これ。
ポイント1:声の「テンション」を使い分ける
りえ:Kさんは人前で話すのが苦手ということですね。スピーチやプレゼンだけでなく、少人数の会議でも同じですか?
Kさん:そうです。数年前に課長になって部下が5人ぐらいいるのですが、会議でもうまく話せない。「課長は立って話すと急に下手になる」などと部下に揶揄される始末で(笑)。
りえ:新刊にも書きましたが、話すことは「口からエネルギーを出して、人に届けること」だと私は思ってるんです。でも、そのエネルギーは「つねに最大出力を出せばいい」というものではなく、「調節すること」が大事です。
Kさん:エネルギーというのは何か尺度があるのでしょうか? 私、胃弱で体力もないので、エネルギーがないんですけど(泣)。
りえ:いいえ、胃弱も体力も関係ないです(笑)。ここでいう話し方のエネルギーは「声の高さ&スピード」で調節できるのです。大きく分けると以下の4パターンがあります。
(1)高い声×ゆっくり
(2)高い声×速く
(3)低い声×ゆっくり
(4)低い声×速く
りえ:大勢の前で話すときは、この4パターンのうち、「(2)高い声×速く」を使うといいんですね。特に最初は「高い声×高テンション」で話すと、みんながワッと興味を持ってくれます。
Kさん:確かに、「高めの声」は、つい耳を傾けてしまいますよね。
りえ:そうなんです。ただ、ずっと「高めの声」で話してしまうと、聞く側はイライラして疲れてしまうので、様子を見て、今度は声のトーンを落として「低めの声×ゆっくり」話すようにします。
Kさん:「高めの声」がずっと続くと、聞き疲れするのはよくわかります。
りえ:そうですね。でも「低めの声×低テンション」が続くと、それはそれで今度はダレてきてしまう。中には眠そうな人も出てきます。そうしたら今度はテンションを上げる。すると眠そうにしていた人もハッと目覚めて注目してくれます(笑)。要はこの使い分けが大事なんです。
Kさん:つまり、「高い声→低い声→高い声」を繰り返すといいわけですね?
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