男中心の職場で一目置かれる女は何が違うか キーワードは「男のような女にはなるな」

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――男性以上に働き、なおかつ女性らしさを保ち続けなければならないということになると、働く女性は本当に大変ですね。

そうですよ。「男性優位」にできている社会の中で、女性である私が、男性と同じコースをたどれるとは思っていなかった。ただチャンスを待っているだけではダメなのです。ステレオタイプのキャリアを求めるのではなく、自分で新しいキャリアのコースを切り開いていくためにも、どんどんチャレンジしなくてはいけない。

だから、パートナー選びが非常に大事と言えます。

女性の仕事に理解を示してくれ、なおかつ、公私にわたって協力してくれる男性がいる女性は負担がずっと軽くなりますから。もちろん、男性の意識向上も求めたいですけどね。

結婚するならパートナーと“契約”を結ぼう

――キャリアのために結婚や出産をあきらめたり、あるいは逆に結婚や出産を機に、やむなく仕事を辞めてしまう女性は多いと思います。

それもパートナー次第だと思いますよ。

子どもを授かってからも仕事を続けたいのなら、結婚前にパートナーとよく話し合って、夫婦の意見をまとめておいたほうがいいでしょう。なんなら、男性に一筆書いてもらってから結婚したほうがいいくらいです。出産後に「やっぱりお前は家庭を守ってくれ」なんて言う男性も少なくないですからね。

「仕事を辞めろとは言わない」とか、「子どもができたら家事や子育ての作業は夫婦で分担する」とか、契約書を取り交わしておいたほうがいい。それを拒むような人とは、最初から結婚しようとしないことです。

ただ、いったん仕事を離れて、子育てに余裕ができてきてから復帰するという道もありますから、そこはそれぞれのペースでいいと思います。

――野尻さんはご結婚もし、出産も経験されていますよね。

う~ん、私の場合はたまたまです。

小さい頃から自立した女性になるつもりでしたから、結婚する気はまったくなかったんです。学生時代からボーイフレンドはいたので、別にモテなかったわけじゃないと思いますが(笑)、結婚を考えたことはなかったんですね。

それが、40歳を過ぎてから結婚・出産ですからね。私のキャリアプランにはまったくなかった出来事だったので、自分でもびっくりしました。周りのほうがもっとびっくりしたかもしれませんが。

野尻 知里 元テルモハートCEO

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のじり ちさと / Nojiri Chisato

1952年生まれ。大阪府立北野高等学校を卒業したのち、京都大学理学部に入学。卒業後の進路が「学校の先生」か、「お茶汲み」しかないという現実にぶつかり、京都大学医学部を受験し直し、再入学。その後、小倉記念病院、熊本赤十字病院、東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所などで、心臓外科医としてのキャリアを歩む。
1986年に医学博士号取得、同年から1989年まで米国ユタ大学に留学。
1991年よりテルモ株式会社で人工心臓の開発に従事。2003年に同社米国法人テルモハート社長兼CEOに就任。プロジェクトは4人のメンバーからスタートし、数年後には12カ国約150人の部下を束ねるまでになる。
日本イノベータ大賞(2007年)受賞、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008」で総合ランキング1位。
現在は東京大学COI(センター・オブ・イノベーション)研究推進機構で、国民の健康増進を目指す国家プロジェクトの副機構長を務める。
プライベートでは42歳で出産を経験し、一女の母。

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