男中心の職場で一目置かれる女は何が違うか キーワードは「男のような女にはなるな」

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――そういう逆境の中でも、心臓外科医として頭角を現してこられたわけですが、どうすれば男性に負けない活躍ができるんですか。

仕事の世界というのは、私たち女性がどうあがいても男性中心の社会であることに変わりはありません。

女性にとっては不公平極まりない社会ですが、そこで不平を言っているだけじゃあ何も解決しません。男性社会の中で、女性の力を認めさせないといけないんです。

私は、女性が認められるためには、男性と同じように働いているだけではダメだと思います。

もともと会社などの組織は、それ自体が男性向けに作られているので、同じ能力・同じ働きぶりの女性と男性がいたら、絶対に男性のほうを重用します。チャンスも与えられるし、昇進も早い。

そういう中で女性が認めてもらうためには、男性の3割増しの頑張りがあって初めて同じ評価が得られる。それくらいの思いで取り組まないといけないんです。

心臓外科医時代は、私も本当に働きづめでした。働きすぎて倒れたこともある。女性がキャリアを積んでいくには、それくらいの覚悟がないといけないんです。これが現実だと思います。

「男のような女」にはなるな

――ブルドーザーのように働かないといけないわけですか。

そこで誤解してほしくないんですが、私は何も「男性のような女性になれ」と言っているわけじゃないんです。

たとえば、身だしなみに気を配らず、髪を振り乱して働くような女性スタッフや、「黙って私についてきなさい」というタイプの女性上司は、きっと組織の中でも高い評価は得られません。

私は小さい頃から男の子と一緒に遊びまわっている子どもだったので、女性と一緒にいるより、男性と一緒にいるほうが落ち着くようなタイプでした。

でもだからといって、女性らしさをいっさい忘れていたわけじゃないんです。おしゃれは好きだし、お裁縫も好き。男の子の中にいても、周りに同化するようなことはありませんでした。

社会に出てバリバリ仕事をするようになっても、女性にはそういう部分は大切にしてほしいんです。交渉事だって、男性よりも女性が前面に出たほうがうまくいく場合もあるし、女性ならではの気配りが製品改良のアイデアに結び付くことだってあります。

そこが女性ならではの強みになるんです。女性らしさを磨くことは、男性社会の中で強力な武器になりますからね。言葉を換えれば、「性」は「個性」のひとつですから、「女性としての個性」を最大限に引き出して、人間性を磨くということだと思います。

女性らしい気配りや感性を忘れず、男性以上の頑張りを見せる。そこまでできる女性をないがしろにする組織は少ないと思います。

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