男中心の職場で一目置かれる女は何が違うか

キーワードは「男のような女にはなるな」

職場で認められたい女性がすべきこととは? (写真:Syda Productions / PIXTA)
野尻知里。彼女の経歴は、まさにスーパーウーマンである。
京大医学部卒業後、心臓外科医を経て、39歳のとき医療機器メーカー・テルモに非正規研究員として転身。プライベートでは42歳で結婚・出産。子育てをしながら、数年後には「人工心臓」の開発を担うアメリカの現地法人・テルモハートのCEOとして、12カ国150人の部下たちを従え、采配を振るうことになる。そして、日系企業が欧米に後れを取っていた人工心臓の分野で、画期的な製品・デュラハートの発売にこぎ着けた。それは、人工心臓分野で、日本企業が世界の最前線に立った瞬間でもあった。
「39歳でようやく本当にやりたいことにたどり着いた」という、遅咲きとも言えるキャリアの秘密を余すことなく描いた著書『心臓外科医がキャリアを捨ててCEOになった理由』を上梓した彼女に、自分が本当にやりたいことを見つけ、夢をつかみ取るヒントを聞く。
前回:夢を掴め!未来は何歳からでも変えられる

自立した女性を目指した学生時代

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で大反響!「未来は、何歳からでも変えられる」。そのことを、自身の人生をもって証明してきた著者が送る、熱いメッセージ。

――女性が男性と肩を並べて、あるいは男性を従えて働くのはなかなか難しいことですが、野尻さんが社会に出た当時というのは、今以上に困難だったと思います。そういう中で、着実にキャリアを積み重ねられてきた理由はなんでしょうか。

小さい頃から、「これからの時代の女の人は、仕事を持って自立しなきゃいけないよ」と母親から繰り返し言い聞かされていたんです。戦争中に女学生だった母は、希望していた大学への進学もかなわず、結婚後は専業主婦として家の中のことを切り盛りしていましたが、本当はもっと社会の中で活躍したいという思いがあったんでしょうね。だから自分の娘には、自力で社会の中で生きていける力をつけてほしいと思っていたのだと思います。

そう言い聞かされてきた私は、自然に「将来は男の人に頼らないで生きていけるような女性になろう」と考えるようになっていったんです。

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