
自立した女性を目指した学生時代
――女性が男性と肩を並べて、あるいは男性を従えて働くのはなかなか難しいことですが、野尻さんが社会に出た当時というのは、今以上に困難だったと思います。そういう中で、着実にキャリアを積み重ねられてきた理由はなんでしょうか。
小さい頃から、「これからの時代の女の人は、仕事を持って自立しなきゃいけないよ」と母親から繰り返し言い聞かされていたんです。戦争中に女学生だった母は、希望していた大学への進学もかなわず、結婚後は専業主婦として家の中のことを切り盛りしていましたが、本当はもっと社会の中で活躍したいという思いがあったんでしょうね。だから自分の娘には、自力で社会の中で生きていける力をつけてほしいと思っていたのだと思います。
そう言い聞かされてきた私は、自然に「将来は男の人に頼らないで生きていけるような女性になろう」と考えるようになっていったんです。
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