パリ五輪「誹謗中傷やめない人」の驚く"思考回路" 「嫌ならSNSやめろ」と言う人に知ってほしいこと
五輪の関係者に対しても効率重視の目線で見るため、「時間をかけ、努力を重ねて積み上げたもの」への思慮が乏しく、彼らの本質をつかめていない感があるのです。
「自分の人生に向き合わない」弊害
ところが効率重視の人がSNSで発信するときは、意外なほどに粘着質。たとえば、自分の批判を正当化するために、競技経験者などのコメントから一部を切り貼りするようなケースをよく見かけます。
効率重視のはずなのに、なぜそんなことまでするのか。誰かを喜ばせることのないその熱意はどこからくるのか。
これまで他人を誹謗中傷してしまう人の話を聞いてきましたが、彼らに共通しているのは、「自分の人生に向き合おうとしていない」こと。その理由は「わからない」「自信がない」「面倒くさい」「怖い」「特に理由はない」……いずれにしても自分の人生に向き合っていないから、よく知らない人の人生に口を出したくなってしまうのです。
特に五輪選手のような自分の人生に向き合ってきた人が何らかの失敗をしたときが、彼らが口を出す絶好のタイミング。自分の人生に向き合っていないことの言い訳をするように他人を攻撃することで、現状を正当化してしまうのです。
しかし、そんな自分の現状をごまかすような正当化が何かを変えてくれるはずはなく、心の中に「他人を攻撃した」という負の感情が蓄積されていくだけ。また、誹謗中傷したところで、「五輪選手は自分よりも地位や名声を持ち、充実した人生を送っているだろう」という思いは消えず虚しさが募るほか、ますます自分の人生に向き合いづらくなっていきます。
では、誹謗中傷しなくなるためにはどんな思考や言動が必要なのか。
これはもうシンプルに「自分の人生と向き合って生きること」「周囲の人に目を向け、コミュニケーションを取ること」の2点に尽きます。そもそも自分の人生に向き合って生きようとしている人には、やりたいことや楽しい時間が多く、わざわざ時間をかけて他人を攻撃する必然性がありません。
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