東京、パリと「炎上五輪」が続いた"根深い問題" 選手や運営への批判や誹謗中傷が止まらない背景
パリ五輪も終盤にさしかかっている。競技の結果や選手の活躍はさておき、本大会は非常にトラブルが多かったという印象を受ける。
筆者は、五輪に深く関わっている広告会社に勤務してきたこともあり、五輪のメディア報道やSNSの論調を追い続けてきた。これまでの経緯を見ていくと、パリ五輪の炎上は、起こるべくして起きた問題のように見える。
ロンドンは“ソーシャリンピック”と称賛されたが…
東京五輪は、競技場建設、エンブレム問題など、開催前からさまざまなトラブルが起き、さらにコロナによって1年延期されるという不測の事態に見舞われた。それだけに、批判や炎上が相次いで起きていた。
東京五輪の炎上は、自国開催で、かつさまざまなトラブルに見舞われたという特殊事情も影響しているのではないかと思っていた。しかし、今回のパリ五輪の炎上を見ると、そうとは言えなかったようだ。世界的に“炎上”は深刻な問題であることを改めて痛感せざるを得ない。
思い返すと、2012年のロンドン五輪は、SNSの普及が加速する中、SNSを有効活用して成功を収め、「ソーシャリンピック(Socialympics)」として称賛された。
試合の様子や結果がSNSで共有され、選手個人もSNSアカウントを開設して現地からリアルな情報を発信、スポンサー企業もSNSで情報発信して大会を盛り上げた。
世界の人々がつながり合い、一体となってこの世界的なイベントを楽しみ、応援していた。少なくとも当時はそのように見えていたし、実態もそれに近かったように思う。
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