東京、パリと「炎上五輪」が続いた"根深い問題" 選手や運営への批判や誹謗中傷が止まらない背景

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4に関しては、1~3と関わって責任が問われている。IOC(国際オリンピック委員会)、競技団体、審判などが、問題が起きるたびに批判の対象にされている。

本大会で特徴的だったのが、5の選手に対する批判や誹謗中傷の激化だ。これについて過去の五輪にも遡りながら見ていきたい。

選手への誹謗中傷が顕在化した東京五輪

柔道女子の阿部詩選手は、2回戦で敗退した際、その場で号泣したことに厳しい誹謗中傷が起こった。柔道男子では、敗退した永山竜樹選手の対戦相手のフランシスコ・ガリゴス選手(スペイン)が激しい非難を浴びた。競歩では、柳井綾音選手、岡田久美子選手が、混合団体に専念するため個人種目を辞退すると発表したことで誹謗中傷を受けた。

永山竜樹
試合の際には握手できなかったガリゴス選手とのツーショットを掲載した、柔道の永山竜樹選手(写真:本の人公式Xより)

ボクシング女子の“性別問題”で出場資格の是非が議論になった、イマネ・ケリフ選手(アルジェリア)と林郁婷選手(台湾)も激しい非難を受けた。

パリ大会で誹謗中傷を受けた選手を挙げれば、きりがないほどだ。

過去の五輪でも選手への批判や誹謗中傷は起きていたが、2016年のリオ五輪までは、さほど目立ってはいなかった。

2021年開催(2020年開催の予定がコロナで1年延期)の東京五輪では、さまざまな批判や誹謗中傷が巻き起こっていたが、選手個人に対する誹謗中傷行為も起きており、問題になった。

東京五輪の卓球混合ダブルス金メダリストの水谷隼氏は、パリ大会で選手たちが誹謗中傷を受けていることを踏まえ、自身が受けた誹謗中傷の内容をX上に公開した。なお、水谷選手が激しい誹謗中傷を受けていたことは、当時も明らかにされていた。

テニスの大坂なおみ選手への誹謗中傷も激しかった。聖火リレーの最終ランナーに選ばれたことで批判を浴び、3回戦で敗退したことでさらに批判を浴びた。徳間書店の委託編集者が個人アカウントから大坂なおみ選手への誹謗中傷を行い、契約を解除されるという事案も起きた。

サーフィン男子の銀メダリスト五十嵐カノア選手、体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手も、SNSで誹謗中傷を受けたことを明らかにしている。

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